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映画「おとし穴」の導入

前回の記事にホラーの導入について書いたけれど、それ書いててホラー以外で導入が面白い映画についても書きたくなった!

面白い映画見るとひとに話したくなっちゃうけど、あらすじとか説明するのが苦手っていうか下手なので、ただただ感想を書いていきたいとおもいます。

(ここ見てくれた方で、面白い導入を知ってたら教えてください。)

最近見た映画で、勅使河原宏監督の「おとし穴」の導入がめっちゃおもしろかった。

この映画は最初、確かYouTubeか何かで予告編として導入部分のみ上がってたやつを見て、衝撃を受けて、

その場で勅使河原監督のDVDボックスを買う決断をしたくらい面白かった!

なにがそんなに面白かったかというと!

---------------------------ここからネタバレする---------------------------

冒頭の場面、夜、男とその子供が何かすごい焦った様子で家からこっそり出てきて早足でどこかへ走っていくシーンで、変な鳴き声みたいな「ウァンッッ」ていうエコーのかかった謎の音がたまに入ってくるのが、めちゃくちゃ怖くて、すごく興味がそそられた。

一体何の声なのか、男と子供はなぜ何かから逃げているのか、しかもなぜ夜に?、なぜこっそり?、声との関係は??

という感じで、はてな???がたくさんあるのがいい。それも絶妙に興味をそそるハテナというところがいい!

夜に子供とこっそり逃げるという訳あり感満載のシチュエーションに加え、謎の声が動物の鳴き声のようでもあり人間の声のようでもあり別のなにかのようにも聞こえる。この謎の音によって何か緊迫した雰囲気が感じられるし、どこか非日常的な、幻想的な印象も受けるし、恐いもの見たさのような好奇心をそそられる要因になっているのだと思う。一体どういった発想でここの部分が生まれたのか、とても気になる!

そして肝心の本編は、、、

導入で期待しすぎてしまったのか、期待外れな感じで…

結局特定の何かから逃げているわけではなかったし、「ウァンッッ」の声の正体もその後出てくることは無かった。(と思う)

前情報無しで見たから、そういうところを期待してしまった。

けど、とても面白かったです!

この作品に限らず勅使河原監督の作品は舞台設定や背景へのこだわりがすごくあるんだなと感じた!この作品では巨大な炭坑が出て来たり、均等に並んで建っている大量の平屋の風景があったり。そこを見ているだけでも面白い。もともとあった風景を選んだのかもしれないし作ったのかもしれないけど、どちらにしろ風景の切り取り方が素晴らしいのだと思う。切り取り方によって、日常的な風景を、どこか幻想的で奇妙な印象にさせている。

あと、モノクロだから、ものの質感や陰影がより際立っていて、よりグロテスクに見える。生々しい。女の肌の肉感や、刺殺されたときの血液とか…。女のひとの肌ってすごいなぁと思った、役者さんの肉付きがいいのもあるが、木造のボロ屋の中で佇んでいるだけで肌の質がすごく際立って白く美しく見える。

あとあと、注意して見ると白い色のものや光のあたるところなど、かなり計算されて作られている。田中邦衛の白い服装も周りの風景から際立っていて、異質な雰囲気をそういうところで表現しているのがいいなと思った。

モノクロでこそ活きるものがあるな〜とこの映画を見て再認識した。

以上感想でした!

ふー。つかれたー。

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